Collectionを様々なアセットを格納するフォルダーとして使用し、そこからシーンにアセットを複製配置する方法を解説します。Collectionについての基礎は関連記事をご覧ください。
アセットがオブジェクトの場合
例として、Assets(名前はなんでもよい)というコレクションを作成し、その直下にCube、Sphereというオブジェクトを格納しました。(図1、2) 新規オブジェクトがどのコレクションに生成されるかは、アウトライナーでの選択状況によります。Assetsコレクションを選択した状態ならば、その中に新規オブジェクトが生成されるはずです。間違ってAssets以外のところへ生成されてしまっても、ドラッグ&ドロップでAssetsの方へ移動できます。
Cube、SphereをAssetsコレクションに入れたら、アウトライナーでAssetsコレクションのVisibility関係のアイコンを図3のように、目玉のアイコンとカメラ(レンダリング)のアイコンをOFFにします。パソコン・モニターのようなアイコンはONにしておきます。そうしておかないと、オブジェクトの複製ができないのです。
準備ができたので、これからCubeやSphereオブジェクトを複製して、Collectionという名のコレクションに格納していきます。まず、アウトライナーでCollectionをクリックして、格納先のコレクションを決めます。その後、CubeかSphereどちらかをクリックして、複製したいオブジェクトを決めます。正しく操作ができていると、図4のような状態になっていると思います。見づらいですが、Collectionのアイコンが薄っすらとグレーに光っているのが分かるでしょうか?
オブジェクトの複製法には、オブジェクトの複製とリンク複製の2種類があります。
オブジェクトの複製は新規オブジェクトと同じで、複製後はオリジナルのオブジェクトとは依存関係はありません。3Dビューポート上にマウスカーソルがある状態で、オブジェクトモード中に、Shift + Dでオブジェクトの複製ができます。
2019/02/18現在、Blender 2.80.44 Beta版では、この辺りの仕様が変更されて、記事の通りに操作しても、非表示にしたオブジェクトの複製・リンク複製ができなくなっています。厳密に言うと、アウトライナーからオブジェクトを3Dビューポートへドラッグ&ドロップすると複製は可能でした。しかし、リンク複製はできませんでした。ときどき、複製後のオブジェクトが非表示になる不具合もあり、まだ、動作・仕様ともに不安定に感じました。仕様が安定しましたら、また、記事の更新をしたいと思います。
リンク複製はトランスフォーム(配置座標、回転、スケール)はオリジナルと別々に管理されますが、頂点データなどは共有されます。なので、オリジナルのオブジェクトの頂点データを変形すると、リンク複製した方も変形した状態になります。(逆のパターンも同様です) 3Dビューポート上にマウスカーソルがある状態で、オブジェクトモード中に、Alt + Dでリンク複製ができます。
図5は、CubeとSphereオブジェクトをリンク複製して、Collectionに配置した状態です。
アセットがコレクション(グループ)の場合
Blender 2.8では、2.7xのグループが廃止されて、Collectionで同様の機能を再現するようになりました。例として、オブジェクトの複製の時と同様に、Assetsというコレクションを作成しました。その直下にSnailというコレクションを作成し、更にその中にサンプルキャラクターのオブジェクトパーツ群を格納しました。(図6)
AssetsコレクションのVisibilityの設定は、オブジェクトの複製の時と同様に、目玉アイコンとカメラアイコンをOFFにしておいて下さい。(図7)
コレクションの複製は、オブジェクトの時とは違い、Collection Instanceという機能を使います。アウトライナーでCollectionという名のコレクションをクリックして、複製先を決めます。その後、3Dビューポートにマウスカーソルがある状態で、オブジェクトモード中に、Shift + A >> Collection Instance >> Snailを選択します。(図8)
図9は、SnailコレクションのCollection Instanceを3つ生成した状態です。Collection Instanceは現在のところ(2.80BETA)、トランスフォームだけを変更することができます。2.81以降にStatic Override機能が実装された時点で、この辺りの仕様は変わってくる予定です。
このページでコレクション(レイヤー)の使い方がよくわかりました、いい情報ありがとうございます。PhotoshopやIllustratorではレイヤーをよく使ったものですが、blenderではレイヤー(コレクション)の使い方に苦労していました。